咖啡场景
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投稿者
小坂章子
since
2015-05-25
  • 珈琲がそこにあるだけで、
  • いつもの日常が豊かにふくらみ始めていく。
  • そんな珈琲まわりの徒然話を日本よりお届けします。
  • ◆ 「珈琲美美」森光宗男マスターのネルハンドドリップイベント INソウル「D&DEPARTMENT」

    福岡在住の私の行きつけといえば、
    1980年代からイエメンやエチオピアなどの産地を訪れ、
    日本に未入荷の珈琲豆を紹介したり、土壌の研究をしたりと、
    学者顔負けのアグレッシブな行動力で知られる、
    森光宗男マスターが営む「珈琲美美」です。
    2階の喫茶室では、森光さんの抽出風景がみえる
    カウンター席に直行します。
    窓辺のみどりや熊谷守一氏の絵、野の花を愛でつつ
    ネルドリップで珈琲をいれる森光さんを眺めるひととき。
    放物線を描くネル布全体からゆらりと立ちのぼる
    コーヒーアロマの湯気に包まれていると、
    オフにしたはずの交感神経がゆりうごかされて、

    そーっと覚醒されていく...。

    そんなこんなで通い始めて数年は経つでしょうか、
    いつどんな時も平常心で珈琲と対峙する
    森光さんの姿を見つめていると、もしやこの一杯を飲めば、
    悟りの境地へと辿りつけるのではないか???などと
    淡い期待を抱いてしまいそうになります。
    珈琲一杯でそこまで願う自分も自分ですけど、
    不思議なもので、そう思わせる何かがあの店にはあるのですねえ。
    私にとって「美美」で飲む森光さんの珈琲は、
    自分を取り戻したい時の
    お守りみたいな存在といえるかもしれません。

    森光さんがここ最近、特に力をいれているのが
    日本の喫茶&珈琲文化から育まれた
    「両手づかいのネルハンドドリップの普及活動」であります。
    えーっ、ネルは手入れも大変だし、どうやって使ったらいいか
    わからないし、そう簡単に始めるのは無理でしょう!?
    うっかり、口走ってしまっても大丈夫。
    自らを「珈琲の僕(しもべ)」と名のる森光さんは、
    「え?っ、美味しいんだからさあ。
     まずは、やってみなさいよ」と手製のドリッパーを掲げて
    にっこり微笑むのです。
    ...もう断れませんよね。

    で、海外での普及活動第一弾の報告です。
    2014年、東京は渋谷ヒカリエの「D&DEPARTMENT」で
    開催されたネルドリップイベントに引き続き、
    今度はソウル店でもやりたい!と言い出した森光さん。
    2015年4月20日、21日の二日間で計4回、約50人もの
    参加者に日本式のネルハンドドリップを伝授しました。
    韓国ソウルからは、「cooffee the sol」のLee, Hyo sook店主が
    講師の一人として森光さんをサポート。
    参加者は、森光さんによるネルドリップのスライド講義を
    受けたあと、2ヶ所に分かれてそれぞれネルで珈琲をたてて
    先生からアドバイスをもらったり、生徒同士で交換して
    飲みあい感想を言いあったりと、おだやかで
    心地よい熱気に包まれていました。

    さてイベント参加者は、ふたをあけてみると
    ソウルの珈琲屋さん、つまりプロが8割超だったとか。
    どおりで皆さん、点滴が上手いわけです。
    ただ現在のソウルの最先端の抽出は、ペーパードリップ。
    ここでネルドリップ初体験の参加者から出た
    質問と森光さんの回答をご紹介しましょう。

    Q ネルとペーパーの大きな違いは何ですか?
    A ネルドリップは、オイル分と調和させることによって
      珈琲の命ともいえるフレーバーを十分に
      引き出すことができます。ペーパーの場合、
      オイルを必要以上に吸ってしまうので、
      馥郁とした余韻のある味わいを引き出すことが難しい。
      それとペーパーは一回きりの使い捨てですから、
      エコの時代にふさわしくありません。
      ぜひご家庭でもネルドリップを試していただきたいですね。

    Q  ゆっくりゆっくり湯をおとすのがポイントと
       言われましたが、店が混んできた時もそれでいいのですか?
    A お客様は、美味しい珈琲を飲みに見えているわけです。
       あわてて作った間に合わせの珈琲を飲みにくる
       お客様はうちにはいません。あわてずにどんな時も
       ゆっくりといれてください。

    Q  珈琲の粉はどれくらい使えばいいのでしょうか。
    A  紅茶と同じで、杯数分+1杯分の粉を使うといいです。
       1杯の目安を20グラムとして、2杯分は30グラム、
       3杯分で40グラムという具合です。
       浅いりコーヒーは粉の分量を少なめにして
       深いりコーヒーは濃く出すために杯数分を増やしましょう。

    Q  豆の挽き目は、どのくらいにすればいいですか?
    A  挽き目は、自然にコーヒーミルが決めてくれます。
       同じ挽き目でも、深く炒ったコーヒーは
       柔らかいから挽けば粒が細かくなるし、
       浅く炒ったコーヒーは深いりより固いから
       粒が太くなります。
       ネルドリップは、ぺーパーより少し粗めに挽くといいでしょう。

    Q 上手にドリップするための秘訣を教えてください。
    A 焙煎も抽出も自然の力を利用してコーヒーを調理します。
      特に抽出は、熱と重力に任せるとうまくいきます。
      焙煎は、日本の料理の基本として竃で炊く炊飯法、
      それを珈琲にもあてはめ、応用しています。
      できあがった時に液体が澄んでいればOK。
      ダイヤモンドのように表面に傷があると、 
      液体は濁って見えます。

    Q  乳香を焚く理由は?
    A  乳香は、乳香樹からとれる黄褐色の樹脂で、
       精油の精製法がなかった古代から、
       木を燃やして香りを楽しむ薫香として使われた
       歴史があります。エチオピアのコーヒーセレモニーでも
       最初に焚くわけですが、場を浄めたり、ゲストを迎えたりする
       役割があります。英名はフランキンセンスで、
       神聖で崇高なアロマです。質の良い香料は、
       食べたり病気を治したりすることもできるそうです。

    Q  湯の温度は、どれくらいがいいですか?
    A  焙煎度合いによって湯の温度も変わりますが、
       うちの店ではカフェインと香りの両方を楽しみたいので、
       カフェインが溶け出す90?96度です。

    Q  森光さんが珈琲をやっていていちばん楽しいと思う時は?
    A  毎日、いつもです。珈琲という飲み物を知ってから
       ずっと面白い日々を過ごしてきました。
       珈琲でいちばん大切なのは、土壌でしょうね。
       これまでイエメンに5回、エチオピアに7回訪れましたが、
       イエメンのモカ港は、珈琲をやる者にとっては、
       一度は行っていただきたいメッカであり、聖地です。
       ともかく、いろんなことはすべて珈琲が教えてくれます。
       ああしろ、こうしろと。それに従ってやっていけば、
       面白いことが起こるんですよ。

    会場は、大きな拍手に包まれました。
    今後、ソウルでもネルドリッパーが増えることでしょう。
    最後にイベントを陰で支えてくれた
    富士珈機のアイドル的存在「みるっこ」。
    せっせせっせと豆を挽く姿は、おいらに任せろと
    小さいながらも気合い十分でしたよ。
    それでは、また来月!

    「珈琲美美」森光宗男マスターのネルハンドドリップイベント INソウル「D&DEPARTMENT」

    「珈琲美美」森光宗男マスターのネルハンドドリップイベント INソウル「D&DEPARTMENT」

    「珈琲美美」森光宗男マスターのネルハンドドリップイベント INソウル「D&DEPARTMENT」

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