咖啡场景
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投稿者
小坂章子
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2015-04-25
  • 珈琲がそこにあるだけで、
  • いつもの日常が豊かにふくらみ始めていく。
  • そんな珈琲まわりの徒然話を日本よりお届けします。
  • 珈琲とカフェをたずねて 2015上海編

    悠久の時を紡ぐ長江デルタに開かれた上海。
    異国情緒に富むこの街は、
    1842年、アヘン戦争終結により結ばれた
    南京条約により、開港した都です。
    フランス、日本、イギリス、アメリカの居留地として
    諸外国の建築物や文化が一気に参入してきたこともあり、
    川沿いの金融機関が並ぶ街並みは、ヨーロッパと瓜ふたつ。
    1930年代には、「東洋のパリ」「魔都」とも呼ばれる
    中国最大の都市へと急成長したこの街は、
    玉石混淆から成る、とらえどころのない
    カオス的な魅力に充ちています。

    さてそんな上海の珈琲事情とは?
    2015年03月30日?04月02日に開催された
    見本市「HOTELEX Shanghai/Expo FineFood」で
    感じた印象をお伝えしたいと思います。
    来場者数81596人、出展社数1600社(うち海外300社)
    展示総面積150000sq.m.というのが、2014年のデータ。
    どのくらい広いかって検討もつきませんが、
    2015年の会場を見た素人的感覚でいえば、
    東京ビッグサイト数個分はあるんじゃないかと…。
    会場同士を小さなクルマで移動するほどに、広いのです!
    (ま、上海の人は少しの距離でも歩きたくないという
    人種のようですが)。
    以前、韓国のカフェショーに行ったことがありますが、
    比べものになりません。やはり中国、スケールが違います。
    主な出展品目は、ケータリング機器&サプライ、ベーカリー&
    アイスクリーム、食器、テキスタイル、アプライアンス&
    アメニティ、IT、セキュリティ、フィットネス&レジャー、
    食品&飲料、コーヒー&紅茶、ワイン&スピリッツなど。
    コーヒー関連でいえば、各種機器メーカー、生豆卸業者、
    カップや包装紙などのパッケージデザイン専門業者が
    持ち場持ち場で自社製品をアピールしていました。

    上海の人達にとって、コーヒーやカフェとは、
    「ファション的にも格好いいから、仕事にしようかな」という
    見た目重視の単純な動機が大きいのだそうです。
    カフェならばイメージもいいし、ひとつ焙煎機でも
    買って試してみるかという裕福な人々がいるかと思えば、
    親戚じゅうでお金を出しあって
    カフェ経営に一攫千金の夢を託すという大勝負に打って出る
    人々もいるらしく、これまた千差万別です。

    熱気あふれる会場を見て廻ると、
    ペーパーフィルターによる一杯だての抽出風景が目立ちました。
    現在の主流は、マシンによるエスプレッソでしたが、
    スペシャルティコーヒーの流通と共に、ここ上海でも
    ペーパーフィルターが最先端のスタイルとして
    定着しつつあるようです。
    各ブースで、日本製ハリオの円錐形ドリッパーV6が
    大活躍していました。
    なかでもこれまでエスプレッソ抽出システムやマシン開発に
    尽力してきた、イタリアのilly(イリー)社のブースで、
    ペーパーフィルター抽出が行なわれている光景を
    見たときは、目が点になりました。

    焙煎機は、「フジローヤル」「ギーセン」「プロバット」
    などの高価なものから、韓国や上海で製造されている
    安価なタイプまで様々。
    とりわけメイド イン ジャパンへの信頼は高いようで、
    富士珈機の焙煎機やミルに対しては、高いけれど
    いつか手に入れたい「憧れの存在」とのこと。
    富士珈機のブースでも、製品を前に真剣な面持ちで
    質問を投げかけたり、展示品の前で記念撮影をしたり、
    興味が尽きないといった様子でした。
    特に、壁際にずらりと並んだ小型焙煎機「ディスカバリー」の
    人気は凄まじく、最終日には少し割引される展示品を
    購入しようとする人達が押し掛け、あっという間に完売。
    ちょっとカフェでも、珈琲でも始めようかという
    上海っ子の心をわしづかみにしていました。
    またドバイや欧米の客の姿もちらほら。
    頭にターバンを巻いたドバイのおじさまは、
    「家に置きたいんだ」と「フジローヤル」の焙煎機に興味津々。
    家で楽しめる新しい電化製品を手に入れる、
    そんな感覚なのでしょうかね。

    珈琲ブームの真っ只中にある上海は、
    今後、間違いなく個人店が急増していくでしょう。
    今は、店に焙煎機を設置している所もほとんどないようですが、
    これからは焙煎や抽出シーンをファッショナブルに見せつつ、
    運営していく店が増えていくと思われます。
    展示会場でも、格好いいイラストが描かれた
    ギーセンの焙煎機などに注目が集まっていました。
    展示会の合間には、上海のカフェを訪れました。
    2003年に上海初の自家焙煎珈琲店として
    開業した「上海珈露夢珈琲」は、
    チェーン店でもないのに24時間営業。
    店は喫煙もできるため、深夜にも関わらずほぼ満席。
    日本人によるプロデュースの店なので、
    美味しいネルドリップ抽出を味わうことができ、
    昨今の日本のカフェよりも「日本的」という印象を受けました。
    珈琲屋を訪れるのは、大人ばかりではなく、
    中学生や高校生の姿もちらほら。裕福な家の
    育ちなのでしょう。学校帰りに軽食と珈琲を楽しむ姿は、
    大人顔負けの堂々としたものでした。

    上海の人々は、良いと思ったら、つまり売れると思ったら、
    何でも一気に押しすすめる性分らしく、
    カフェなのにラーメンから鮨、お酒まで何でもアリの店も
    珍しくありません。現に上海で見たUCCのカフェは、
    居酒屋とラーメン屋とセットになったもので、
    日本では考えられない異業種空間が展開されていました。
    ひとつのことを深く追究する日本人的気質からすると
    あれこれ手を出すと散漫になるのでは?と心配になりますが、
    生き馬の目を抜く競争社会の上海では、
    そんな悠長なことは言っていられません。
    いつ情勢が変わるか分からないのだから、
    稼げる時に思いきり稼ぐ、それがこの街で生きる術。
    カフェの業態ひとつとっても、
    上海人のたくましい気質が見てとれます。

    円安が続く上海では、物価や家賃の高騰が著しく、
    日本人が現地で商売していくには、
    相当の覚悟と才覚がいるようです。
    それでも九州に近いアジアの大都市、上海で
    成功しようと頑張る日本人の方もまだまだいらっしゃいます。
    ネットなどのモバイル環境が充実した今、
    店舗を構えず、スタッフも雇わずに商売を行なう
    スタイルが上海でも急増していると聞きました。
    たとえば中国版ツイッター「ウェイボー」だけで、
    商品説明から決済までを済ませてしまうやり方がそう。
    自社のネットショップすら、誰も見てはくれない昨今、
    ウェイボーで自分をアピールする投稿を繰り返し、
    信用を得ていくなかで、商売に結びつけるやり方を
    する人が急増。現に、焙煎した豆や生豆を、
    ウェイボーだけで販売する人もいるそうで、
    そういう話を聞いているとビジネスの固定概念が覆されます。
    ウェイボーの目的は、自己表現というよりビジネス。
    どんな言語で、何を、どんな人たちにアピールするか?
    時代をよみ、ここぞという時はドンと波に乗る
    好奇心、臨機応変さ、フットワーク。
    上海で成功するために必要な3つの要素だそうです。

    手厚い行政サービスや時間厳守、規則遵守が
    あたりまえの平和な日本にいると、
    考えられませんが、上海では自分のことは自分で守るという
    強い気持ちがないと、街に潰されてしまいます。
    人を押しのけてでも自分は勝つ、自分だけは
    騙されないでより良いものを掴もうとする
    上海で選ばれる珈琲屋やメーカーになるためには、
    何が必要なのか? どういう言葉や方法が適しているのか?
    そして、上海の珈琲やカフェはこれからどのような
    流れを辿っていくのか、興味は尽きません。
    いずれにしても一杯の珈琲を通して
    世界は繋がっているとあらためて感じた上海でした。

    それでは、再見!

    展示会公式Web http://www.hotelex.cn/zh-cn/
    珈琲とカフェをたずねて

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