咖啡场景
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投稿者
小坂章子
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2018-02-25
  • 珈琲がそこにあるだけで、
  • いつもの日常が豊かにふくらみ始めていく。
  • そんな珈琲まわりの徒然話を日本よりお届けします。
  • 富士珈機ご一行さまと、福岡カフェ巡り

     2018年2月24日、25日。富士珈機の皆さんが社員旅行の一貫として福岡カフェめぐりに訪れたので、私も昼間だけ同行することにした。6班に分かれ、事前の情報から行きたい店を選んで廻るのである。
     私は2班に参加。初日は、フジローヤル上海展示会などでもお世話になった「蘭館」?「豆香洞コーヒー」と西鉄沿線を巡ることにした。「蘭館」の珈琲とエッグサンドを「なんや、これ。信じられんくらい美味しい」と大絶賛していた設計の林くん。素直な感想に、こちらまで鼻高々になるのだった。
     「豆香洞」では、土曜日ということもあり、カフェ席は満杯で立っているスペースもないほどだったので豆を買った後、後藤さんの焙煎室を挨拶がてら見せていただいた。ギーセンのでっかくて格好いい焙煎機の裏に設置されたアフターバーナーや煙突を熱心に観察する姿は、やっぱり一般人ではない機械屋の行動である。後藤さんは、フジローヤルのディスカバリーと大坊さん監修の手廻しロースターもお使いで、たまに灼きますよと見せてくれた。お忙しいのに対応していただき、ありがたいことでした。
     その後、薬院の「マヌコーヒー」でラテをテイクアウトした後、フジローヤルの勉強会参加でもおなじみの「石本珈琲」へ。石本さんは、「蘭館さんと豆香洞さん、それで、うちに来たらダメでしょ!」と笑っておられたが、店はさながらフジローヤルの福岡ショールーム。直火式焙煎機5キロ釜とディスカバリーが据えられた店内は、開業4年目とは思えないほど隅々まで光輝き、ニューオープン店のように清々しい。実は設計の林さんが初めて煙突部分の線を引いた思い出の店ということもあり、店主の石本さんと奥様を囲んで話が弾んだ。ワイワイと記念写真を撮って、豆を購入して失礼した。
     ちょっと遅めの昼食は、すぐ近所の「長崎亭」でラーメンとちゃんぽん。皆、美味しい美味しいと喜んでいたので、ほっとした。経理の上田さんは、胃を摘出しているため食が極端に細いのだが、注文を聞き終え立ち去ろうとする店員の背中に「もやしっ!!」と独特のイントネーションで叫ぶので、まわりをギョッとさせていた。が、せっかくもやし大盛りにしてもらったも関わらず、9.5割を残してギブアップという貴族的な食し方をしていた???。つくづく富士珈機さんは、キャラが濃い。
     翌日は、小雨のなか博多駅南の「マスカル珈琲」からスタート。私たちが飲み終わる頃には他の班の人々もやってきて、店内は即席大阪ワールドと化した。宮崎さんは「き、昨日は、暇だったんですけど、スミマセン」と申し訳なさそうな顔をして我々一行を見送ってくれた。今回、どんな店でも一貫してマンデリンを注文してきた島岡さんが、「マスカル」のマンデリンと野菜たっぷりマフィンなどを大絶賛していたのは嬉しいことであった。
     2軒目は、大本命「珈琲美美」。喫茶営業は正午からであるが、「11時30分前には、店に到着しときたいんですわっ。美美は、あなどれん店ですからね!」と島岡さん。「あんたより私の方がよほど通ってるんやから知ってるわぁ」とのエセ大阪弁が喉元まで出かかったが、気合いに押され、食い止めた。
     というわけで一路タクシーで赤坂はけやき通りの「美美」へ。2階では、充子さんが椿の枝をカウンターで生けているところである。喫茶オープン前に乱入してきた我々に「もう喫茶の準備はできていますから、いつでもいいですよ」と優しく言っていただいたのに、一行は1階の焙煎機や古い焙煎道具類に興味津々。写真を撮ったり、焙煎機の蓋をあけて半直火半熱風をライトで照らして確かめたりと落ち着かないことこの上ない。ようやくカウンターについてもメニューを眺め、あれこれと質問してはお客様気分を満喫していた。
     と、他の班4名が、さらに5名のチームもやってきて、気がつけば店内は、富士珈機率8割に。5名様はバラバラの注文は悪いからと気をつかい、ゴールデンハラール5杯というさすがの注文をしていたが、第2班はおかまいなし。“もやし”の上田さんは、胃を摘出している関係でいちばん薄めの「淡味ブレンド」をオーダー。私も数年ぶりに飲んでみたけれど、苦みと甘みが軽やかに同居したさすがの一杯であった。
     店を出ると、とりあえず昼食だ。福岡といえば、実はうどん発祥の地である。馴染みのうどん屋に連絡したが満員で、さらに別のうどん屋も行列らしく、一瞬、石釜ピッツァという案によろめいたが、寸での所で思い留まり「秀ちゃんラーメン」で手を打った。針金のような細麺に濃厚なとんこつスープがからんで、なかなかイケる味であった。  そして最後の一軒は「珈琲舎のだ本店」。ホテルのバーを意識した洗練の店である。挨拶をすると、のだ歴45年という生き字引の前田店長がニコニコ顔で迎えてくれた。2班の方々は、「おおっ、1キロ釜が3台並んでるぅ!格好い?い!!」「前田さんて、何かの写真で見た事がある!有名な方なんですよねっ」と、興奮気味にスマホで激写。前田さんは3年程前に調子にのって一日中焙煎していたことが原因で入院してしまったという話を披露し、皆から爆笑されていた。その後、それぞれに違うメニューを頼んだら「今日は暇でヨカッタですよ。もし忙しくて、こんなふうにみんな違うメニューを頼まれていたら、ムッとしてた」と前田さん。年々正直に、ありのままになられている。
     最期は、記念撮影をして、カフェめぐり終了。集合場所の博多駅にて皆さんとお別れした。今回は、社員旅行だったので、皆さん共通のLINEを作っていて、まわった珈琲店の報告や感想を写真付きでアップするように義務付けられていたわけだが、随時、誰がどこでどんな一杯を飲んでいるかをタイムリーに共有できるのは愉快なことである。
    「今、席、いっぱいやから来んといてー!」
    「経理の福田さんはな、パンチがあると、デリシャスしか表現がないねん。ほら、言うたそばからデリシャスって書いてある。いっつも同じやねん。あ、でも苦味と酸味のバランスが絶妙って書いてある。新しい言葉、覚えはったんや」
    なかには「○○くんの好きな味やったら、ホンジュラスがいいと思うわあ」など、同僚の好みの一杯を注文する銘柄を選んであげる人もいて、ほほうと感心した。皆さん、行く先々でコーヒー豆を購入していたので、しばらくは福岡コーヒー祭りが続くだろう。
     業界全体の競争が激化する昨今。機械屋とはいえ、機械の仕組みだけわかっていればいい時代ではなくなった。コーヒーの味が多少なりともわかっている設計士なり、技術工なり、経理なり、営業なりが集結した会社こそが、本当の意味での珈琲機器メーカーといえるのだろう。ここ最近は、飲み手の知識も口も肥えてきた。日本を代表する老舗機械メーカーとて、うかうかしていられないのである。
     普段、機械の設置で珈琲店を訪れるのと違い、知らない土地でひとりの客として珈琲をたのしむ体験が、日々の仕事にとって新しい視点をもたらすことを願いながら、博多土産を両手に抱えた皆さんを見送った。次は九州一円の喫茶めぐりへ、ぜひ。ありがとうございました。それではまた来月。


    富士珈機ご一行さまと、福岡カフェ巡り

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