咖啡场景
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投稿者
小坂章子
since
2016-03-25
  • 珈琲がそこにあるだけで、
  • いつもの日常が豊かにふくらみ始めていく。
  • そんな珈琲まわりの徒然話を日本よりお届けします。
  • UCCコーヒー博物館へ行く

     喫茶本を出版してから9年が経つというのに、未だ足を踏み入れたことがなかった神戸の『UCCコーヒー博物館』。もちろん存在は知っていたのだが、本気で動かないうちに40代を迎え、いよいよお尻に火がついた。歴史の面白さもわからない、地理にも疎い、珈琲の好みも偏りがちという狭い世界で細々と取材をしてきたわけだが、最近になってようやく、珈琲にまつわる歴史や品種、焙煎や抽出メカニズムについても正確なところを知りたいという意欲がわいてきたのだ。カメの歩みなりに、機が熟したのだろう。
     念願の博物館をめざし、ポートライナーに乗りこめば、車内には結婚式に向かう若いお嬢さん方が数人。若いっていいなと目を細めていると、妙なことに気がついた。皆、服装は違うのに髪型は同じなのである???。蜂の子を2段階で盛った女王蜂スタイルが、今の流行なのだろう。コーヒーだってそう、時代や地域によって流行というものが存在する。しかし、どんな時であろうと、己自身を貫く強さをもってほしいなどと眉間にシワを寄せているうちに、南公園駅に到着。
     改札を出ると、あら、不思議。蜂の巣を連想させるシルバーのドームが見えるではないか。迫力満点の外観、予想外の蜂つながり???。結婚式場へと向かう女王蜂チームに別れを告げ、私は軽く気合いを入れて扉を開いた。
     神戸と珈琲という相乗効果によって、客層は実に国際色豊か。赤と紺色のレトロで愛らしい制服を着たスタッフの皆さんの、ほぼ全員、英語が達者という点は、さすがUCCである。
     中央にエレベーターを配した天井の高い館内は、「起源」「栽培」「鑑定」「焙煎」「抽出」「文化」と続く6つの展示室を螺旋状のスロープに添って見ていく。しかし、私はエレベーターに乗る前の1階展示室6「文化」コーナーにつかまってしまい、かなりの時間を費やしてしまった。
     コーヒー豆を象った贅沢なソファを陣取り、本棚から取り出した「日本コーヒー史」をむさぼるように読みふけっていたら、ん、何やら騒々しい。顔をあげると、【ねえ、はずかしいわぁ、ねえ、うれしいのよ?】という甘い唄声がけっこうな音量で飛び込んできた。うわっ、懐かしい。「モーニング娘。」ではないか。珈琲関係の曲を集めたコーナーを設置しているのねと納得したものの、リピート率が高すぎて本の中身に集中できない。しょうがないので、【モーニングコーヒー飲もうよ?ふた?りで】とサビを口ずさみながら、本を閉じた。発売時から20年も経つというのに条件反射で唄えてしまうのは、歌謡曲の凄みとしか言いようがない。このままコーヒー関連の曲をバックに、漫画「バリスタ」を読破したい誘惑にかられたが、ここは漫画喫茶じゃないのだ。気をとりなおして、展示を見てまわることにした。
     自ら訪れて体感していただきたいので詳しい説明は省くけれど、展示室2「栽培」では、完熟チェリーを説明する模型に目を見張った。ミューシレージ、パーチメントなど油断するとすぐに忘れてしまう実の構造をわかりやすく示す模型は、アイデア満点。麻袋の摘み込みやブラジルのコーヒー鑑定の様子を展示した展示室3「鑑定」も、壁じゅうが世界の産地の麻袋で埋め尽くされていて圧巻であった。一方、4「焙煎」の壁は、浅いりから深いりまでの珈琲豆で埋め尽くされていて、コーヒー天国ともいえる眺めであった。機関車を彷彿とさせる焙煎機の隣には、各国の多種多様な手廻し焙煎器を展示。5「抽出」コーナーでも世界の優雅な手廻しミルが展示されており、その時代に選ばれてきた道具や器の美しさに見惚れた。帰りには、コーヒークイズで腕試し。一問目が不正解だったので少々焦ったものの、無事にコーヒー博士認定証をゲットできた。
     展示を満喫した後は、「喫茶室Coffee Road」でコーヒーブレイクしたり、テイスティングコーナーで試飲したり、ミュージアムショップで珈琲グッズを買ったり???。事前に申し込めば、手網焙煎体験もできる。ほかにも珈琲豆でできたマメゴンや、奥山義人氏のコーヒー版画展、珈琲の粉を漉き込んだ手漉き和紙のライトのしつらえなど、アート的な要素もたっぷりの館内であった。創業80周年を記念し、2013年のコーヒーの日にリニューアルした『UCCコーヒー博物館』。まだの方、久しく行ってないという方、港町?神戸へ足を伸ばしてみませんか。


    ◆DATA UCCコーヒー博物館
    所:神戸市中央区港島中町6丁目6-2
    電:TEL:078-302-8880
    開:10:00-17:00(入館は16:30まで)
    休:毎週月曜日(祝日の場合は翌日).年末年始
    料:大人(高校生以上)300円、団体(20名以上)240円、シニア(65歳以上)150円、中学生以下無料、障がい者(介添人一人まで同額)150円 ※日本語?英語?中国語?韓国語に対応する展示音声ガイダンスあり。http://www.ucc.co.jp/museum/

    ◆喫茶室Coffee Road(コーヒーロード)
    営:10:00~18:00(OS 17:30)

    UCCコーヒー博物館へ行く

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